コロナウイルスが世界中で流行し、各国で猛威を振るっています。とても悲しい事に、毎日何百人もの方が亡くなっています。
私は現在メキシコに住んでいます。北部のモンテレイという、メキシコ第3の都市に在住5年目です。こちらに家族はおらず、現在はひとり暮らしをしています。
日本にいる家族や友人から、メキシコの事情を聞かれたり、心配されることが多いです。他にも同じようにメキシコのコロナウイルス事情を知りたい方がいるかもしれないと思い、今回はわたし個人の観点から見た、メキシコのコロナウイルスの現状をお伝えしたいと思います。
※ここに書くことは科学的根拠はありません。また、あくまで一個人から見た(しかも週6で家にこもってる)、メキシコのモンテレイの一部で起きていることです。メキシコ全体のことを指しているわけではありません。
メキシコのコロナウイルス事情について個人的な観点から見たことを書いてみた
メキシコのコロナウイルス感染者の現状(2020年4月14日現在)
2020年4月14日現在、メキシコでのコロナウイルス感染者数及び死亡者数は以下の通りです。
感染者:5399人、死亡者:406人
感染者の多い州は以下の通り。首都のメキシコシティでの発生が一番多いです。
- メキシコシティ:1556人
- メキシコ州:602人
- バハカリフォルニア州:412人
- プエブラ州:276人
- シナロア州:261人
- キンタナロー州:245人
参照にしたニュース(詳細を知りたい方はこちらをご覧ください。):tikitakas
メキシコではコロナウイルスのことをel coronavirusやCOVID-19と言います。
メキシコ政府は3月30日に緊急事態宣言を出しました。一旦5月30日を目途に、様々な活動を制限する様呼び掛けています(4月16日現在の情報)。現在はフェーズ2(国内での人とのコミュニケーションによって、感染が数百人レベルで発生)ですが、近日中にフェーズ3(数千人レベルでの爆発的な増加)に入るのではないかと言われています。
参考:MARCA Claro
詳細の情報は外務省のHPをご確認ください。
ニューヨークやヨーロッパの様な爆発的感染はまだ起きていない
みなさんご存知の通り、ヨーロッパやアメリカ合衆国のニューヨークでは数万人単位で感染者が出ており、死者もたくさん発生しています。お墓を増設しているニュースや、ニューヨークがゴーストタウンになってしまった動画を見て、率直に「恐怖」を感じる状況になっています。
メキシコはそれと比べると、まだそこまでのレベルには行っていない感覚です。どちらかというと感染者数や発生のペースは日本と近いのかな、と思います。
不足しているのはアルコールスプレー・ジェル、マスク
街のどこに行ってもなかなか手に入らないのが、アルコールスプレー及びジェルとマスクです。
メキシコでも、そういったものを手作りする人が増えてきています。
コロナウイルスがメキシコに来たばかりの時は、一部トイレットペーパーの売り切れがあったところもあった様ですが、現在はトイレットペーパーがないという話は聞かないです。始めの頃は、スーパーのパスタやフリホレス(豆)の品ぞろえが減った気もしましたが、現在はわたしの周辺では、特に買えなくて不便するものはありません。
お店の閉鎖状況
私も基本的に家にこもっていて、週に一度しか外出しないのであまり多くのお店の状況を見れているわけではありませんが、見た感じ、衣料品や雑貨など、必要不可欠でないものを販売しているお店は休業になっているようです。
ショッピングモールのフードコートは半分が休業。スーパーは開いています。
ただやはりスーパーではイートインコーナーが閉鎖、パンは全て袋に入れて販売、と言った変化は起きています。
Uber eatsでは、一部のレストランが配送費を無料にしたり、ドアに商品をかけて渡すことで人との接触を発生させないようにしたりなどしているので、利用者は結構いると思います。
仕事の閉鎖状況
私の職場は、3月末に日本から来ていた日本人が全員帰国しました。なので私も3月末から今日まで自宅待機をしています(仕事は日西通訳なので、日本人がいないと通訳する相手がいないので仕事がない為)。その後、職場は、メキシコ人も含めて4月2週目に完全クローズになったそうです。そこで働いていた作業者は半分以上が解雇となりました。
その他周りでは、多くの人が自宅でリモートワークをしている様です。製造業など、職場に行かないと仕事が出来ない業種は、工場を数日~数週間閉鎖にしているところが多いイメージです。
メキシコ人は結構きちんと家にいる
3月末から”Quedate en casa”(家にいてね)と言う呼びかけが起きています。それに従って、メキシコ人は結構みんな積極的に家にいるようです。
これはあくまで私の個人的な感覚ですが、日本人は心のどこかで自分は感染しないと思っている人が多い、もしくは多かったような気がします(最近は日本でも多くの人が外出を控えている様ですが)。一方、メキシコ人は本気で感染したくないと初めから思っている人が多い気がします(日本人の事を攻撃するつもりはありません。でも個人的には、本当に誰でも感染しうる、誰でも死んでしまう可能性があることは、みなさん理解しておいてほしいと思います。あなたが死んでしまったら私は悲しいです。)
アルコールスプレー・ジェルをすごく使う
メキシコ人は予防を結構きちんとしています。特にアルコールスプレーやハンドジェルは一番初めにスーパーの棚から消えました。
仕事中でもちょっと何かに触ったらジェル、外からオフィスに戻ってきたら全身にアルコールスプレー、家のドアノブや車のハンドルなど、手が触れるところは全てアルコールスプレー、買ってきた食材もアルコールスプレー…と、結構徹底してやっています。
アルコールスプレーとは関係ありませんが、外出して外から帰って来た時には、洋服を全て玄関で脱いでそのまま洗濯、自分はすぐにシャワーを浴びる、という人も多いようです。特に家族などど一緒に住んでいる場合ですね。
コロナウイルスとは関係ありませんが、メキシコ人はもともとよくシャワーを浴びます。1日2回浴びるのは割と当たり前の人が多いです。友人のベネズエラ人は「ラテン人はよくシャワーを浴びるから、ヨーロッパとかに比べてコロナウイルスの感染がおさえられているんだ」とか言ってました。
マスクを使う習慣はないが、最近は使う人が増えてきた。マスク着用義務の街も
元々メキシコ人はほとんどマスクを使いません。風邪をひいていてもマスクをつけているところはあまり見ません。ですが、このコロナウイルスの騒ぎで、マスクを着用する人がかなり増えてきました。私の住んでいるヌエボ・レオン州では、外出時のマスク着用が義務となりました。
治安の悪化が心配だが、今のところ大きな変化はなし
少し心配なのは、これから治安がどうなっていくか、です。
コロナウイルスの影響で仕事を失った人たちが、生きていく為のお金がなくなり強盗に入ったり、暴動を起こしたりする可能性が一般論としてあります。
今のところ、市場で小規模の暴動があった、といったニュースがたまーに耳に入ってくるだけで、治安が大きく悪化したわけではないですが、この状況が続いていくと生活が厳しくなる人はどんどん増えると思うので、そこは心配です。
今メキシコに住んでいる者としての率直な気持ち
コロナウイルスで亡くなった方、遺族の方々、心よりお悔やみ申し上げます。
また、コロナウイルスの為に闘ってくれている医療関係の皆様、生活に必要不可欠で外出せざるを得ない業種に関わっている皆様、本当にありがとうございます。
私はメキシコに住んでいる一外国人として、下手な動きをして感染してしまったら周りにも迷惑がかかるし、日本にいる家族や友人の心配もとてつもないものだと思うので、とにかく自分が感染しない事を第一に、家にいます。週に一度だけ、近くのショッピングモールにあるスーパーにマスクをして買い物に行きます。
あまり悲しいニュースばかり見ていても、正直私にできることは限られすぎているので、コロナウイルス関連のニュースはほどほどに、家での生活をできるだけ楽しく過ごそうとしています。なので幸い「辛い、寂しい、不安」と言った感情はほぼありません。
状況がさらに厳しい他の国では、日本人がやむを得ず日本に帰国しているケースも多いようですが、メキシコの私の周辺では、コロナウイルスのせいで帰国をした・する人はまだほとんど聞いていません(留学生の方は除く)。
私自身は、今年の6月ごろには日本へ本帰国する予定を元々たてていました。この状況が続くとどうなるかはわかりませんが、予定通りことが進めば、帰国したいと思っています。ですがそれはコロナウイルスとは関係のない理由です。
今すぐ日本に帰ってこないの?とも聞かれますが、空港や機内で感染するリスクがある事、日本で2週間自主隔離する手続きなどが大変そうな事、自主隔離してもその後実家に帰って万が一両親にうつしてしまうリスク等を考えると、今は帰国しません。まぁ元々、留学などの一時的な滞在ではなく、こっちで働いていて生活の基盤もこちらにあるのでね。
私はこういう判断ですが、 様々なリスクがあるのをわかっていて、自分が感染する・誰かを感染させてしまう危険性をわかった上での、 他の方々の帰国する・しないの判断は尊重します。難しい判断だと思います。
一刻もはやく、世界に平和と、みなさんにストレスのない生活が訪れることを願っています。
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